皮膚・肌の知識 コラム

肌のバリア機能とは?低下する原因やサイン、健やかに保つ方法を解説

『肌のバリア機能が低下しています』

スキンケアの記事や化粧品の説明でよく見かける言葉ですが、そもそも肌のバリア機能とはどのような働きをしているのでしょうか。

肌のバリア機能は、外部刺激から肌を守り、肌内部の水分を保つために欠かせない仕組みです。

バリア機能が低下すると、乾燥や肌荒れ、赤み、かゆみなど様々な肌トラブルが起こりやすくなります。

パウラ後藤桂子
この記事では、肌のバリア機能の仕組みや役割、低下する原因、健やかな状態を保つためのポイントについて詳しく解説します。

肌のバリア機能とは?

肌のバリア機能とは、外部刺激から肌を守る働きと、肌内部の水分が蒸発するのを防ぐ働きのことです。

私たちの肌は毎日、

  • 紫外線
  • 花粉
  • 黄砂
  • ホコリ
  • 摩擦
  • 乾燥

など、さまざまな刺激にさらされています。

バリア機能が正常に働いていると、これらの刺激から肌を守ることができるだけでなく、肌内部のうるおいを維持することができます。

 

しかし、何らかの原因でバリア機能が低下すると、水分が失われやすくなり、刺激にも敏感になります。

その結果、

  • 乾燥
  • 赤み
  • かゆみ
  • ヒリつき
  • ゆらぎ肌

などの肌トラブルが起こりやすくなります。

 

バリア機能はどこにあるの?

バリア機能の中心となるのは、皮膚の最も外側にある「角質層」です。

角質層の厚さは約0.02mmほどで、ラップフィルムほどの薄さしかありません。

しかし、この非常に薄い層が肌の健康状態を大きく左右しています。

 

肌のバリア機能は何によって成り立っている?

肌のバリア機能は単純な一つの仕組みではありません。

主に次の3つの要素がバランスよく働くことで維持されています。

  1. 細胞間脂質
  2. 天然保湿因子(NMF)
  3. 皮脂膜

これらのどれか一つが不足しても、肌は乾燥しやすくなったり刺激を受けやすくなったりします。

 

細胞間脂質|角質細胞同士をつなぐ役割

角質層には角質細胞がレンガのように並んでいます。

その細胞同士の隙間をセメントのように埋めているのが「細胞間脂質」です。

細胞間脂質の約50%を占めるのがセラミドであり、肌の水分保持において重要な役割を担っています。

 

セラミドが十分に存在すると、水分を抱え込みながら角質細胞同士をしっかりとつなぎ止めることができます。

一方でセラミドが不足すると、

  • 肌が乾燥しやすくなる
  • 刺激を受けやすくなる
  • 赤みやかゆみが出やすくなる

などの状態につながります。

 

天然保湿因子(NMF)|角質細胞の中で水分を抱え込む仕組み

天然保湿因子(Natural Moisturizing Factor:NMF)は、角質細胞の内部に存在する保湿成分です。

主にアミノ酸や尿素、PCAなどで構成されており、水分を引き寄せて保持する働きを持っています。

 

保湿というとセラミドばかり注目されがちですが、

  • セラミド:細胞の外側
  • NMF:細胞の内側

で、働いています。

そのため、どちらか一方だけでは十分な保湿機能を維持することができません。

 

皮脂膜|肌表面を覆う天然の保護膜

皮脂膜は、汗と皮脂が混ざり合って作られる天然の保護膜です。

肌表面を覆うことで、

  • 水分の蒸発を防ぐ
  • 摩擦から肌を守る
  • 外部刺激から保護する

という働きをしています。

洗いすぎや脱脂力の強い洗浄剤の使用によって、この皮脂膜が過剰に失われることがあります。

 

バリア機能は「レンガとセメント」だけでは説明できない

角質層はよく、「角質細胞=レンガ、細胞間脂質=セメント」に例えられます。

確かに分かりやすい例えですが、実際にはそれだけではありません。

  • レンガの中にはNMFが存在する
  • セメントにはセラミドを中心とした細胞間脂質が存在する
  • さらに表面を皮脂膜が覆っている

という、複数の仕組みによってバリア機能は維持されています。

そのため、同じ乾燥に見えても、

  • セラミド不足
  • NMF不足
  • 皮脂膜の減少
  • 複数の要因が重なっている状態

では、必要なケアが異なります。

 

肌のバリア機能が低下しているサイン

次のような症状がある場合は、バリア機能が低下している可能性があります。

  • 肌がつっぱる
  • 保湿しても乾燥しやすい
  • 化粧品がしみる
  • 赤みが出やすい
  • 肌がかゆい
  • 季節の変わり目に肌荒れしやすい
  • 花粉の時期に肌の調子が悪くなる
  • ファンデーションのノリが悪い

これらは、ゆらぎ肌でもよく見られるサインです。

関連記事:ゆらぎ肌とは?

 

肌のバリア機能が低下する原因

洗いすぎ

洗浄力の強いクレンジングや洗顔料を使用したり、何度も洗顔したりすると、必要な皮脂まで取り除いてしまうことがあります。

摩擦

ゴシゴシ洗顔や強いマッサージ、タオルでこする習慣は肌への負担になります。

紫外線

紫外線は角質層にダメージを与え、バリア機能低下の原因になります。

乾燥

空気の乾燥やエアコンの使用によって肌水分が失われやすくなります。

ストレスや睡眠不足

肌のターンオーバーが乱れ、健やかな角質層を維持しにくくなります。

加齢やホルモンバランスの変化

年齢とともにセラミド量は減少します。

また、生理前や更年期などのホルモン変化も肌状態に影響します。

 

ネイル講師が肌状態を見るときに注目しているポイント

ネイルサロンでは顔の肌を見る機会は少なくても、手肌は非常に近い距離で観察します。

その中で感じるのは、同じ乾燥に見える肌でも状態は一つではないということです。

例えば、

  • 水分不足による乾燥
  • 紫外線ダメージによる乾燥
  • 摩擦による乾燥
  • バリア機能低下による乾燥

では、必要なケアやアドバイスは変わってきます。

 

また、保湿クリームを塗れば解決するケースばかりではありません。

生活習慣や季節、紫外線、ホルモンバランスなど、様々な要因が肌状態に影響しています。

パウラ後藤桂子
だからこそ、表面に現れている症状だけを見るのではなく、「なぜその状態になっているのか」を考えることが大切だと考えています。

 

肌のバリア機能を健やかに保つために

洗いすぎない

必要以上に皮脂を取り除かないようにしましょう。

保湿を行う

肌にうるおいを与え、水分と油分のバランスを整えます。

紫外線対策を行う

日焼け止めや帽子などを活用し、紫外線ダメージを防ぎましょう。

摩擦を減らす

洗顔やスキンケアの際は、こすらず優しく触れることを意識しましょう。

生活習慣を整える

十分な睡眠やバランスの良い食事も、健やかな肌づくりには欠かせません。

 

まとめ

肌のバリア機能とは、外部刺激から肌を守りながら、肌内部の水分を保つための重要な働きです。

その仕組みは単純ではなく、

  • 細胞間脂質(セラミド)
  • 天然保湿因子(NMF)
  • 皮脂膜

という複数の要素によって支えられています。

 

肌の乾燥や赤み、かゆみなどのトラブルが起きたときは、単に「保湿不足」と考えるのではなく、バリア機能のどの部分に問題が起きているのかという視点を持つことが大切です。

 

肌状態を正しく見極めることが、自分に合ったスキンケアへの第一歩になるでしょう。

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