- グリーンネイルは緑膿菌が原因
- リフトに水分が溜まって菌が増殖するのが原因
- サロン衛生が不十分だったことが原因
と思っていませんか?
実は、長年信じられてきたこの説は、最新の科学的研究によって覆されました。
本記事では、グリーンネイルの本当の原因を明らかにした最新の研究結果に基づき、正しい知識を解説します。
グリーンネイルの原因とは?本当に緑膿菌が原因?
こんな疑問や不安ありませんか?
どんなに技術を磨いても、どんなに衛生を徹底しても、「なる時は、なる」と諦めるしかなかったグリーンネイル。

グリーンネイルになるメカニズム
グリーンネイルは、爪の表面とネイルの間に細菌が定着し「汚染」された状態になり、菌が増殖する際に出す代謝産物の色素が爪に色素沈着することよって発生します。
よく「色が薄ければ軽症、濃ければ重症」と言われますが、単純に色素の違いによるものなので、色の濃淡と進行度は関係ありません。
また、長年言われてきた「リフトするとグリーンネイルになる」という定説も関係ないことが分かっています。
確かにリフトしている指になっているケースの方が多いものの「リフトしてないのに、なってしまった…」というケースも往々にあり、原因が分からずネイリストが悩んでしまう要因の1つだったのではないでしょうか。
緑膿菌が原因と誤解されてきた理由
長らくグリーンネイルの原因は緑膿菌とされてきましたが、最新の研究では緑膿菌だけが原因ではなく、さまざまな細菌や真菌が関与していることが判明しました。
その誤解の発端となったのは、過去に「緑に変色した爪から緑膿菌が検出された」と発表された論文があったことから、これが一般的な常識として広まってしまったのではないかと考えられます。
では、その論文にはどのような問題があり、誤解へと繋がっていったのかを見ていきましょう。
「グリーンネイル=緑膿菌」はなぜ広まった?
「グリーンネイルの原因=緑膿菌」ならばと、ルビケイトは緑膿菌の権威・東邦大学の小林寅喆教授(感染制御学教授 / 細菌学者 / 緑膿菌博士)に、最も信憑性が高いと思われる論文を探して頂きました。
それが前述した、1963年4月29日に細菌学者ディーン・デュークス博士がテキサス皮膚科学会で発表された「Green Nails」という論文です。
1963年の論文「Green Nails」の問題点とは?
この論文には確かに「緑色に変色した爪から緑膿菌が検出された」とあります。
しかし、この論文で研究対象となったのは土管清掃業などの洗剤を過度に使う職業の人々であり、ネイルをした人ではありませんでした。
さらに、当時はアクリル材料さえない時代。
つまり、この論文内容をネイルサロンの症例にそのまま適用するのは誤りだったのです。
なぜこの誤解が定着したのか?
その後、多くの医学書や衛生管理マニュアルで「グリーンネイル=緑膿菌」と説明されるようになりました。
また、消毒や衛生管理を強調する目的で 「緑膿菌は危険」「消毒が不十分だとグリーンネイルになる」といった情報が広まったことで、誤解がさらに定着してしまったのです。
その結果、ネイリストやお客様の間でも「グリーンネイル=緑膿菌」「ネイルサロンの衛生環境が悪いから起こるもの」という誤った認識が広がることになりました。
【最新研究】グリーンネイルの本当の原因とは?
2014年、小林寅喆教授による研究が論文として発表されました。
- 第29回 日本環境感染学会総会
「色素沈着が認められた爪から分離した細菌とその要因に関する検討」 - 第114回(米国)微生物学会
「つけ爪で起こる菌の繁殖について」
研究・論文内容の特徴
- 世界で初めて、つけ爪(アクリルやジェル)をした環境に特化
- 感染経路や検出された菌のDNAまで徹底調査
- 科学的根拠に基づく新しい対策法の提案
最新論文で明らかになった事実
- 変色がなく綺麗な爪でもネイルをしている人の約6割が保菌者
- 緑膿菌が検出されない症例も多数ある
- 緑膿菌以外の細菌や真菌も検出されている
といった、驚くべき事実が明らかになりました。
この研究結果により、「グリーンネイル=緑膿菌」という、従来の考え方が間違っていたことが科学的に証明されたのです。
【Q&A】ネイリストの疑問に回答
Q.グリーンネイルは細菌感染なの?
いいえ。グリーンネイルは爪の上で菌が定着して増殖している「汚染」の状態で、感染ではありません。
感染なのであれば、爪と肉の間(ネイルベッド / 爪床)で菌が身体に害を及ぼしている状態(=病気)です。
Q.色が薄ければ軽症、濃ければ重症なの?
色の濃さと進行度は関係ありません。
前述した通り、 グリーンネイルの緑色は細菌の代謝産物の色素が爪に沈着しただけなので、色が濃いからといって悪化している訳でも重症な訳でもありません。
色が黄色〜薄緑〜濃い緑、赤茶色〜黒っぽい、などは色素の違いです。
Q.皮膚科に行ってもらったほうがいい?
ネイルをすることでなってしまうグリーンネイルは、皮膚科に行っても特別な治療などはありません。
ただし、激しい爪の剥離を伴う場合や、痛み・炎症がある場合は、他の病気の可能性があるため皮膚科の受診をおすすめします。
Q.しばらく様子見をして経過観察するのは意味がある?
意味はありません。適切な対処をしなければ、逆にネイルを続けることで状態が悪化する可能性があります。
Q.緑になった部分は削った方がいい?
緑の部分は只の色素沈着なので、削っても特に意味はありません。
Q. 消毒を徹底すれば防げる?
衛生管理は重要ですが、消毒の問題ではありません。
もし衛生管理の問題なのであれば、特定のサロンに多く見られたり、衛生管理を怠った時期に多発する筈ですが、そのようなケースはありませんよね。
それに、それで防げるなら当に解決できている筈です。
「自分のサロンがうつしているのでは?」という不安が大きいと思いますが、ルビケイトは東邦大学と共に徹底的に感染経路の特定まで研究しており、講習でお伝えしています。
Q.「オフして2週間経てばネイルしていい」というのは本当?
いいえ。そのような根拠はありません。
自爪に戻せば、爪に定着していた菌はいなくなりますが、予防をしないままネイルをすれば繰り返す可能性の方が高いです。
なぜネイルをしていると菌が爪に定着してしまうのかを理解し、グリーンネイルにならないように予防対策して技術提供することが、ネイリストとしての責任ではないでしょうか。
Q. グリーンネイルになったらネイルはできない?
ルビケイトがない場合は、ネイルはできません。(ネイルラッカーも含む)
だからこそ「予防」が最も大切なんです。
しかし、予防と共に「グリーンネイルになってしまっても、ネイルができるようにする」ための研究もしてきたのがルビケイトですので、ルビケイトでの対策をして頂ければネイルをする事は可能です。
ルビケイト講習で学べること
ルビケイト講習では、最新の研究を基にした グリーンネイルの正しい知識と対策を詳しく学べます。
グリーンネイルの本当の原因菌
感染経路はどこなのか
サロン衛生の問題なのか
リフトなど技術の問題なのか
真実を知っているからできる予防・対策
お客様に信頼される説得力のある説明
正しい知識を身につけることが、お客様の健康を守るだけでなく、サロンの信頼・ネイリストとしての自信にもつながります。

ベーシック講習の内容詳細
- そもそも本当の「グリーンネイル」とは何か
- 微生物叢(ウイルス・細菌・真菌)
- 細菌の分類と増殖過程
- 原因にしてきた緑膿菌とはどんな菌なのか
- 緑膿菌が本当に原因なのか
- 緑膿菌の権威・東邦大学での研究結果
- なぜ菌が定着してしまうのか
- 免疫学
- パターンは8種類に分類される
- 科学的根拠に基づく対策
開催日時・場所・受講料・お申込
🗓日時:4月1日(火)
12:00-17:00(休憩含む)+質疑応答
📍場所:聖オーガスチン教会 集会所
岡山県岡山市北区弓之町9-37
※最寄駅:JR岡山駅、岡電(路面電車)東山行き「城下」より550m
✍️受講料:¥55,000(税込)
- 教科書
- ディプロマ
- 認定プレート
- ルビケイト取扱ライセンス
- 当日商品購入可能、受講日特別割引あり