- お客様の親指の爪に、横に亀裂が入っている…どうしよう…
- アクリルスカルプで補修したいけど、やり方に不安がある…
- 正しく補修しないと、さらに悪化させてしまうかも…
ネイリストとして経験を積むほど、こうした症例に出会う機会は少なくありません。
ですが、正しい知識と手順を知っていれば、安心して対応できるようになります。

足の親指の爪に亀裂が入る原因とは?
足の親指の爪は、体重のかかる位置にあり、また、靴の圧迫や歩行による負荷が集中しやすい部位のため、亀裂が入りやすいのです。
特に、下記の場合に多くみられます。
- 夏場に裸足で過ごす時間が増えてぶつけてしまう
- サンダルばかりで爪を伸ばし過ぎてしまう
- 乾燥や加齢によって爪の柔軟性が低下している
「いつの間にか割れてた」とお客様自身が気づいていないケースも多く、気づかず放置してしまうと、そこから雑菌が入ったり、陥入爪の悪化につながることも。
アクリルスカルプを使った補強方法
爪の亀裂には、アクリルスカルプでを補強することが最善策です。
実際の施術手順を簡単にご紹介していきますね。
施術前チェックポイント
- 亀裂の深さと位置を確認
- 出血や感染の兆候がないか
- 爪の周囲の皮膚状態が良好か
異常がある場合は医療機関へ!
ネイルサロンでは対応できません。
補強スカルプの手順
step
1整爪&足浴&甘皮処理
- 亀裂がカットできる箇所まで、端から徐々に切る
- 細部まで確認するために、フットバスで足浴して丁寧に汚れを落とす
- ウォーターケアでの甘皮処理
step
2プレパレーション
- 亀裂の段差など、爪の削りすぎに注意しながら表面を軽く整える
- ウォーターケアをしているので、しっかり水分油分除去を行う
- プレプライマーとプライマーを塗布
step
3正しくフォームを装着
- フォームと爪の間に隙間がない、爪と同じCカーブ、縦も横も爪に対してまっすぐ装着
- ハイポニキウムに刺さっていないか、フォームが上向き・下向きになっていないか確認
- 亀裂に負荷をかけない位置・角度で行うことが重要

step
4アクリルスカルプで補強
- 亀裂を完全に覆うようにアクリルをのせ、適切な厚みや長さを整える
- 段差のないアプリケーション
step
5削り
- キューティクル側の段差がなく、厚みが均一になるよう削る
- 表面に不自然な凸凹がないよう削る
施術後に伝えておきたいこと
補強したからといって、「治った」わけではありません。
亀裂部分はまだ弱い状態のため、次のようなフォロー説明も忘れずに。
- 靴のサイズや歩き方に注意してもらう
- 負荷の少ない日常動作を心がける
- 定期的なメンテナンスが必要(3週間で様子を見させて頂くお約束を!)
補強スカルプは「メニュー化」すべき理由
こうしたアクリルでの補修技術は、「特別対応」ではなく「通常メニュー」として用意しておくことをおすすめします。
なぜなら…
- 爪の亀裂などは思っている以上に多くのお客様が抱えている悩み
- 適切な補強によって、施術後の満足度が圧倒的に上がる
- その場しのぎではなく、リピートに繋がる技術として評価される
- 他店との差別化になる

料金設定は¥1,000〜¥2,000 (1本)を目安に、ご自身のサロンメニューの価格帯に合わせてみてください。
正しい知識が、プロとしての安心感に変わる
「この状態、どうしたらいいんだろう…」
「自分の判断でやっていいのかな…」
そんな不安も、正しい知識と経験があれば、自信に変わります。
ネイルの技術は装飾だけではなく、「保護」や「補強」という側面もあるのです。
補強スカルプという選択肢をもっと多くの人に知ってもらい、より美しい爪を提供できるネイリストになりませんか?
併せて読みたいおすすめ記事
この記事で紹介したスカルプの手順を、もっと詳細に写真付きで解説しています。
足にフォームがうまく装着できずに悩んでいる方は、こちらの記事で写真付きで解説しています。
どちらも現場経験から導き出した実践的なテクニックを解説しています。
自信を持って施術できるようになるヒントが、きっと見つかりますよ。